アジアカップを終えて

アジアカップ4位。3連覇を期待された日本代表のこの成績はどのように評価されるでしょうか?
日本代表はよく組織されてきた。中村俊輔のような少数のスター選手も上手く融合してきていると思う。だが、組織的に戦うことが優先しすぎている場合もあった。即興での組織戦術を編み出すことが膠着した試合状況を打破することに繋がるはずであり、今ある組織力からもう一段上の組織力を身につける必要性が見えてきたと思う。
今回のアジアカップでの日本は成績よりもチームとしての経験値を上げたことが最も大きな収穫だっただろう。この経験はワールドカップアジア予選というより厳しいコンペティションで活きてくるに違いない。悔しい思いをした若手の代表選手の今後の巻き返しに今は大いに期待しているところだ。


アジアカップでの戦いでは、選手達が試合をこなすにつれて体力が落ちていった。高温多湿の気候が日本代表を大いに苦しめていたのは明らかだった。優れた組織を有していてもそれを体現する人間がへばっていてはダメだ。サウジアラビア戦や韓国戦ではミスが多く集中力の欠如が頻繁に見られた。気候との付き合い方もアジアで勝つために重要な要因となるが、それを改めて感じさせられた。


さて、最後の韓国戦は1点も奪えなかったわけだが、これは日本の決定力不足なのだろうかと考えてみた。決定的なシーンはあった。でも、決められない。これは一瞬一瞬のプレーに対する冷静さが日本の選手に足りないことだと思う。日本の選手はゴールを奪おうとする気迫はあるのだが、それでかえってゴールを決められられないのだ。冷静になって相手ゴールキーパーやディフェンスのいないところを見定める落ち着きがない。
俺は観戦者であるから選手では見えない視点でシュートを打つ範囲を判断できるわけなんだけど、日本代表レベルの選手ならチャンスがあればゴールを決められそうな気がするんだけどねぇ? 多分、選手達も練習だったら簡単に決められんじゃないのかね。高原のところにシュートチャンスが回ってこなかったのが痛かったな。彼だったらゴールを奪ってくれたと思うんだけど・・・、彼は彼で厳しいマークを受けていたからな。今後は高原に近づくようなゴール前での冷静さをもつフォワードも必要だということがアジアカップでは明らかになった。


攻撃面のことで考えをめぐらせてきたら中盤の攻撃的役割を担う選手の戦いぶりには不満があるかもしれない。中村俊輔は頑張っていたと思う。彼は攻撃に守備に必死に動いていたね。最後は体力的に辛いのか攻撃面でのキレを欠いた。そのほかでは遠藤が攻守のバランスを取って活躍していたが、そのために遠藤の攻撃参加が減ってしまい、日本の中央からの攻撃は相手選手に全く脅威ではなかった。山岸智、鈴木慶太、中村憲剛は攻撃面では我武者羅すぎてやはり冷静さを欠いていたと思う。中村俊輔以外はそれほど相手選手に脅威を与えなかったのではないだろうか。中盤の攻撃力には物足りなさを感じだアジアカップだった。でも、これは俺のサッカーへの見識の不足もあるんだろうけどさ。


ディフェンスは完全崩壊した場面はサウジアラビア戦以外にはなかったと思う。初戦には連携ミスもあったけど、他の試合ではよく守っていた。だが、圧倒的な個人技に対して脆さが出たことも事実で、アフリカ、ヨーロッパや南米のような個人技に優れた選手のいるチームとの試合では劣勢に立たされる可能性がわかった。
一方で、センターバックの中澤と阿部は得点力があった。彼らのプレーは気迫がゴールに結びついた格好だね。特に中澤の気迫は凄いね。日本代表に戻ってきてくれて良かった。



日本代表の戦いぶりを本ブログ、AZZURRI☆ファンタジーでこんなに取り上げたことはかつてなかったんじゃないかな。個人的には今の日本代表にとても関心が高い。次はワールドカップ予選が待っているし、今後も応援していく。あと、北京五輪を目指す五輪代表の若手選手の日本A代表への昇格がどうなるかも気になるところ。
様々な年齢の選手が一つとなって戦うのがA代表チームの戦力強化には重要だと思う。年齢の近い人間同士の仲良しチームでは厳しいコンペティションで勝ち残ることは難しい。日本が競争力を増すためには勢いのある若手選手がどんどんA代表に選ばれるようになることも大切だ。