戦いというファンタジー

2004年2月にプリキュアが始まったとき、プリキュアが注目された点は『女の子が“拳だけ”で戦う』というアクションであったように思います。
無印からMHまでのプリキュアでは、実際に肉弾戦が多々見られました。毎回の戦いの決着はマーブルスクリュー等のビーム系の必殺技でしたが、このような必殺技を出すまでには肉弾戦の展開が必要でした。ウルトラマンと怪獣の戦いの展開に似ていると思います。
肉弾戦で戦うプリキュアの姿は、ただ女の子が戦っているというだけでなくて彼女達の一生懸命さ、必死さそして真剣さを感じさせました。単純な戦いの繰り返しのシーンもあったとは思うのですが、これは彼女達が本来は戦いのプロではないことと言い換えられるかも知れませんね。プリキュアはとんでもない動きで敵を攻撃したりもするのですが、それはいつでもかなり追い詰められたときや彼女達に戦うことへの意識がより高まったとき*1に出るものだったと思います。プリキュアの戦闘能力は彼女達の心のリズムに的確に反応すると思います。こういった所が、私にはとてもファンタスティックに感じます。


今、プリキュアS☆Sでの戦い方は、先代プリキュアの戦闘に比べると肉弾戦の要素は少ない、または表現が和らげられていると思います。精霊の光を纏って攻撃も守備も精霊の光を通して行われています。この精霊の光が戦闘中に飛び散ったり、攻撃を受けた衝撃音も柔らかい音になっていて戦いで受ける傷や痛みの表現はよりフィクションなものへ移行していると思います。それでも、戦いの中でプリキュアが敵に対して自分達の思いを主張する場面は彼女達の一生懸命さ、必死さそして真剣さを感じさせてくれます。そしてやはりプリキュアの気持ちが高まればとんでもない戦い方を見せてくれます。そんなところは以前となんら変わるところではありませんね。
S☆Sのプリキュアの戦闘シーンは見た目キラキラしていてそんな部分がファンタジー色を強めたものなのかもしれないし、肉弾戦という直接的戦闘描写もほとんどありませんけど、プリキュアが戦いの中で見せるファンタスティックな部分は以前と何も変わっていないと思います(^▽^*


もし、S☆Sでも肉弾戦が戦闘シーンで描かれるものだったならば、満薫との戦闘もより激しいものを予想したのですが、そう予想するのが躊躇われるんですよね。先代プリキュアとキリヤの戦いのシーンは見ていて痛々しかったけど、いつかは戦うという固定観念があったものですからねぇ。

*1:仲間の危機等