イタリア代表の敗退(ワールドカップ2014)

今回もイタリア代表、アズーリはグループリーグ敗退に終わった。選手のタレント不足とかクオリティ低下とか言われていたが、今回のアズーリはそんなに叩かれるほど酷かったか?私はそうは思わない。アズーリは一生懸命に最後まで戦っていたように見えた。では、何が足りなかったのか?
やはりコンディション調整がうまくいかなかったことが大きい。ブラジルでも高温多湿の地域でグループリーグの試合全てを戦い、対戦相手の順番もアズーリには不運だった。第一戦はイングランドイングランドもまたアズーリと同様にタレント不足とクオリティ低下と言われたが、それでもイングランドはサッカー発祥の国。最大限の警戒をして戦いに望まなければならなかった。イングランドも同じような考えでイタリア戦を迎えたに違いない。そして、イタリアもイングランドもこの一試合で極度に消耗してしまった。アズーリは戦術的組織力イングランドに快勝したものの、この戦いで力尽きていた。
第二戦はコスタリカ。今大会を大いに盛り上げたコスタリカは振り返ってみれば非常に難敵だった。だが、もしもアズーリが先制点を奪えていたら試合展開は大きく変わっていただろう。コンディション調整に苦しむアズーリのメンバー達も精神的に立ち直り、フィジカルコンディションも上向いて行ったかもしれない。少なくともベスト8それ以上も狙えたかもしれない。コスタリカ戦でゴールさえ奪えていれば…。
第三戦はウルグアイ。審判の判定でいろいろ問題があったと言われた。アズーリが本来の力を発揮できていれば負ける確率は低かったと思わざるを得ない。イタリアは伝統的に守備が強い。だが、その守備の強さは強力なカウンター攻撃を要しているからこそだ。それが伝統のカテナチオといわれるものでのだから、ただただ守るだけでは押し切られて失点を喫するのは当然だった。

アズーリは、ワールドカップ終了後に早速再始動する。新監督が誰になるのかわからないが、まず次の目標はヨーロッパ選手権2016の出場に向けてチームを再構築することだ。新たなタレントの発掘に取り組みつつ、既存の戦力の意識の建て直しに勤めることになるだろう。
イタリアサッカー協会内でも人事異動など動きがあるらしい。政治的な動きも活発化している。アズーリ、イタリア代表チームが強くなるにはイタリア人選手の実力の底上げが重要だ。近年ではドイツが選手育成から代表の強化に成功して脚光を浴びている。イタリアを含め、その他の国々も模倣したいいところだろう。ただ、イタリアに関してはこの改革には大きな壁が立ちふさがるらしい。詳しくは知らないが、まあまったりとやればいいのでは?サッカーに関しては結果、結果というイタリアなのだ。ちりも積もれば山となる。のんびりでも着実に何かを積み上げて行こう。そうしてできた山の頂から見える風景が絶景であることを願う。