ベスト4出揃う

ベスト8の残り二試合が終了。いよいよベスト4が出揃った。ベスト4へ進出した国の顔ぶれとしては順当。だが、各チームの状況は大きく異なっている。

アルゼンチン対ベルギー
ベルギーの戦力は総合的にアルゼンチンを凌駕しておりこの一戦ではベルギーがアルゼンチンを攻め続けると思われたが、試合内容は全くの逆だった。アルゼンチンがアグレッシブに動き回って試合の主導権を握った。生まれたゴールはアルゼンチンのイグアインによる1点だけだったもののアルゼンチンが危なげなくベスト4へ進出した。どきどきはらはらな展開とはならなかったのはアルゼンチンの落ち着きとベルギーの経験値の少なさだったと思われた。
残念だったのは、アルゼンチンのディマリアが負傷したことだ。アルゼンチンが勝ち進めたのは、メッシが活躍しているのはディマリアの活躍があったから。メッシが躍動してアルゼンチンを勝利に導けるかどうかはディマリアが抜けた今後の試合でアルゼンチンがどのような戦い方を見せるかによる。
ベルギーはここにきて積極的な戦いができなかった。これは非常に残念だった。ベスト16のアメリカ戦で見せた圧倒的な攻撃をアルゼンチン戦でもできていれば、この試合はもっと点の取り合いになって盛り上がったに違いない。ベルギーには二年後のヨーロッパ選手権と4年後のワールドカップでのさらなる活躍に期待だ。

オランダ対コスタリカ
今回のワールドカップで、オランダとコスタリカはそれぞれ大きな驚きを提供してくれた。そんな両国の対戦は大いに盛り上がった。ゴールはひとつも生まれなかったが、オランダの畳み掛ける攻めと、それを凌ぐコスタリカの守備と反撃のカウンターに魅せられた。試合の決着はPK戦までもつれ、オランダが試合の優勢な流れのままに勝利を掴んだ。PK戦のときにGKを交代で投入することもあるとは聞いていたがまさかワールドカップでその展開が見れるとは思わなかった。
オランダは90分間で試合を決め切れなかったが、かなり慎重に試合を進めていたからだろう。今回のオランダは自らの戦力を考慮した戦い方を選択した。ファンファール監督が柔軟にチームの舵を取っている。ベスト4のアルゼンチン戦でもこれまでのように守備を基準にしたオランダ風カウンター攻撃を見せるだろう。アルゼンチンは守備がしっかりしていないのでオランダの攻撃がコスタリカ戦よりもずっと決まりやすいと思われる。一方で超ワールドクラスのメッシにオランダ守備陣が崩壊させられる可能性も大きい。
コスタリカは最後までしっかりとカウンターサッカーを貫き通した。近未来のワールドクラス候補のGKとFWを要して彼らの力の最大限に活かした戦いをほぼ100%完遂した。守備的なサッカーは好まれざる傾向が近年のサッカー界に見られるが、コスタリカのように好印象を与えたような守備サッカーもある。チームとしてひとつのサッカーを貫徹しているところは攻撃的だろうが守備的だろうが美しい。結果が出てこそ評価されるのは当然だが、見せてサッカーの内容がポジティブであれば攻撃的でも守備的でもはやり美しいものだと思う。