ドイツとブラジルがベスト4へ進出

ワールドカップ2014、ベスト8の戦いが始まった。まずは最初の二試合。ドイツ対フランスとブラジル対コロンビア。

・ドイツ対フランス
前評判どおりに順当に勝ち進んできたドイツ。圧倒的ではないもののテクニックと機動力を活かしつつ伝統の勝負強さも発揮してきた。一方のフランスは、ワールドカップ予選までの不安定さを払拭。負傷のためによるリベリの欠場の穴をチーム全員の働きで埋めた。今大会の結果はともかくとして将来へのあるひとつの道筋をつけつつある。ベスト8でドイツに勝てる可能性も高まっていた。
ドイツは体調不良を訴えた選手も多かったためなのかそれとも戦略的に運動量を抑えていたのかフランスの積極的な攻めのほうが試合を通じて目立っていた。ドイツのワールドカップでの強さはどの試合でもゴールに迫るシーンをきちんと作ってくるところ。この試合でもフランスペースのときにトニ・クロースのクロスからフンメルスがヘディングでゴールを奪った。このゴールが決勝点。チャンスを確実に決めた。また、守備陣、特にドイツGKのノイアーの活躍がドイツを支えていた。フランスは同点ゴールを狙ったがことごとくノイアーにチャンスを阻まれた。また、フランスの同点に迫るシーンが盛り上がったのはドイツのゴールチャンスを幾度も防いだフランスのGKロリスの活躍も忘れてはいけない。実に、今大会はGKの活躍が目立つ。
ドイツは四大会連続でワールドカップベスト4進出。仮にベスト4で敗退しても3位決定戦で手堅く3位を確保しそう。ドイツは優勝以外は失敗というのだから凄いものだと改めて思う。
フランスは2年後の自国開催のヨーロッパ選手権つづいて2018年のロシアでのワールドカップに向けてポジティブな印象を残してブラジルを去る。監督のデシャンの指導の下でさらなるレベルアップが期待される。さらに、かつてのジダンのような真のスター選手の発掘も必要と感じられた。

ブラジル対コロンビア
両チームとも若き”10番”のエース対決が注目された。結果は、ブラジルが勝利してベスト4へ進出し、ブラジルの国民の熱狂度をさらに高めた。だが、こちらの試合は大きなアクシデントと議論を生み出した今後もいろいろと話題と問題を残しそうだ。言わずもがな前述のネイマールの件である。
試合自体はお互いの南米の国同士のプライドがぶつかり合う激しい展開。試合の流れの中からゴールが生まれなかった。ブラジルのほうが有利に試合を進め、コロンビアはここまで見せてきた素早い攻撃展開がほとんど見られなかった。中盤の高い位置でボールを奪うシーンがなく攻撃を組み立てられなかった。ブラジルについても攻撃は個人技頼みである意味では限界が見え隠れしているように見えた。ブラジルを救ったのはCBの二人、チアゴ・シウバダビド・ルイス。セットプレーからそれぞれゴールを奪った。ネイマールを欠く、ベスト4以降の試合ではセットプレート既存の攻撃陣の今まで以上の活躍がブラジルが優勝できるかの鍵を握るだろう。ブラジル代表セレソンとブラジル国民の冒険は続く。
さて、コロンビアは次世代エースのハメス・ロドリゲスが今大会で大活躍。ベスト8敗退はいろいろと悔しい思いの残し、ある種の怒りもあるだろう。チーム全体としての戦いぶりはポジティブだった。監督のペケルマンの去就も気になるところ。今後も南米の第一勢力国として力を維持するために戦略をきちんと定めなければならない。