運命の出会いから

咲と舞が友達になった経緯は、5年前の不思議な出会いやプリキュアになったということを覗いても、ごく自然なものでした。もし、プリキュアにならなくても咲は舞を新しい仲間として受け入れたと思います。きっとそのときは、咲と舞がこれほどまでに仲良しになるには時間や何らかの出来事や運も必要だったでしょうね。まだ友達になってからそれほど長い時間が経ったわけでもないのに咲と舞はとても仲が良いです。だからこそ、やはり二人がプリキュアになったということが咲と舞をより親しい関係に導いたことは間違いありません。
咲は誰とでも仲良くなれてしまうような印象があり、彼女のペースには誰もが巻き込まれてしまうと思います。咲は一緒にいてとても楽しい女の子なんでしょうね〜、きっと。咲自身は、友達になれない人は誰一人いないと思っているのかもしれませんね。父の教えに従い、全てのものに命は宿っていると信じ、自分の身の回りにあるものへの感謝を忘れない咲の周りには明るいことしか起こりえないようにも思えます。
一方、舞は、自ら他者にぶつかっていくことは稀だと思います。自分についての表現の仕方が咲のように直接的ではなくて間接的だと思います。舞は絵が好きです。彼女が見たことや感じたことを絵に描きます。その絵を他者が見て感じて引いては作者である舞を感じます。第19話で咲との約束を破ってしまったとき、舞は咲の顔を描きながら自分の気持ちを整理していました。一方咲は文を書いて気持ちを整理していました。絵は見るものによって感じ方が違い、作者の気持ちは間接的にしか伝わりませんが、文字や文章はより直接的に自分の気持ちを見るものに伝えることができます。舞と咲は自分の気持ちの表現方法も随分違うんですね。
こんな風に違いの見られる咲と舞が友達に慣れたのは、前述したようにプリキュアになったことも挙げられるのですが、咲がより積極的に舞を受け入れようと動いたからでもあります。第1話最後の場面での舞に自己紹介する場面や、第2話で舞の歓迎会を催したりするなど、咲は舞に自分達の世界に来るように呼びかけました。それに呼応するように、舞は最初はおっかなびっくりだったんだけど、積極的に咲(達)の世界へ踏み出しました。そして、第2話の最後には舞の方から咲に手を差し伸べ、咲としっかりと握手を交わし、友達となりました。
友達になるときは、どっちかが先に手を差し伸べて、その手を相手が握り返してくることで成立すると思います。まぁ、何も本当に握手をすることが必ずしもあるわけではないけど、何らかの言葉や気持ちのやりとりが成立して友達になるという過程が終了すると思います。友達としてさらに親しくなるには、当人同士の間でいろいろなイベントが何度か行われたり、意見の交換がなければならないのでしょうけどね…。そうでなければ、ただの知り合いで終わり、助け合うこともあんまりないのかもしれません。


咲と舞は、プリキュアってだけの関係を越えて友達としてのお付き合いを続けています。更には、これはプリキュアであることの他に家族ぐるみの付き合いもしていますね。ご近所づきあいとしての付き合いもあります(^▽^*
咲と舞の関係にはお互いに頼り合う温かさがあって、見ていてとても微笑ましいものがあります。これからもずっと親しい関係が続くことになんの疑問も持っていないそんな感じもします。もちろん、咲と舞はずっとそうなることを望んでいるでしょうし、また彼女達の大切な人々との生活を続けたいと思っていると思います。


そんな咲と舞の前におそらくはこれまでの人生最大の困難と試練が立ちはだかろうとしていると思います。咲と舞にとって当たり前だと思っていたものが、覆される瞬間が訪れようとしています。それは満と薫との関係です。咲と舞は、満と薫がやってきてからかなり多くの時間を満と薫と過ごしています。満と薫が咲と舞に近づいてきたこともありますが、咲と舞は満と薫と一緒に過ごすことで彼女達を友達として間違いなく認識しています。
友達になるときに、当人間でのなんらかの言葉や意見の交換があって友達の関係は成立すると思うのですが、咲舞と満薫の間では明確なそのやりとりがないと思います。咲舞と満薫の関係はまだまだ表面的なんですよね。言い換えれば、咲舞が一方的に満薫に行為をもっているといえると思います。無印プリキュア時代であれば、最初期のほのかがなぎさに寄せた思いと似ているように思います。無印時代は「プリキュアってだけで」、S☆Sでは「咲舞がプリキュアってだけで」、彼女達の関係は成立しており、その間に本当の気持ちのやり取りはないのです。
無印では第8話でほのかとなぎさはお互いの気持ちを知り、本当に自分達がどうしたいのかを考えて最終的に真の友達への道を共に歩み始めました。では、S☆Sではどうなるでしょうか。それは、咲舞=プリキュアと満薫の対決によって答えが導き出されるでしょう。
このS☆Sでの戦いは咲舞のためだけの困難や試練ではなくて、満薫にとっても困難であり試練だと思います。お互い同士を知り、尊重しあうためには何時も温かい方法だけではないことを学ぶのだと思います。私は先日までの日記の中で咲舞と満薫は戦う必要がないと考えてきました。ちょっとだけお互いの気持ちに歩み寄るだけで気持ちを知り合えるのに、そのために戦う必要などありはしないのです。相手のことをちょっとだけでも受け入れようとする気持ちがあれば、そこから仲良くなる道が開けると思います。


運命的な出会いをした咲と舞、そして咲舞と満薫。運命の出会いから、これからどうなるのか・・・。両方ともこれからの運命に立ち向かう勇気を持って戦ってほしいと思います。そして互いを受け止めあう心の強さを見せて欲しいと思います。これまでに彼女達が一緒に行動して積み重ねてきた気持ちがきっと大きな影響力をもつと思いますし、ただ一言「友達だよ。大好きだよ」と伝えられたらもうすでに戦うことなど無意味になるのではないかと思います。