心重ねて

S☆Sも20話までの放送が終わりました。中盤の山場に差し掛かりつつある感じでしょうか。

この第20話では、薫のこれまでの心の変化が今回の彼女の行動に現れていたと思います。そんな薫の行動に満は驚いていましたね。満と薫はいつも一緒にいるけど、お互いの取る行動は異なります。満と薫はお互いの違いを知っているけど、今回の薫の取った行動は満にとっても意外なことだったようです。


薫の取った行動で印象的なのは、みのりとの会話(ドロドロンの脅威を間接的に伝えることも含む)、みのりを逃がすような行為、それから雨に濡れた紫陽花とそれを眺めるみのり達の姿へ向けた笑顔ですね。あとは、葉から落ちた蝸牛を助けたことですね。薫は、外見や言動からとても冷たいイメージがあり、特に彼女のストレートな表現が人を傷つけるのではないかと何度もドキドキさせられたものです。今でも薫の言動は聞く人によっては心にグサッときたり、不快感を与えるかもしれません。でも、薫の言葉で助けられた人もいました。それがみのりですね。
みのりは自分に対して薫から受けた言葉に素直に受け入れ、そして今ではすっかり薫を信頼するようになりました。「薫お姉さん」と呼んでとても懐いていますよね(^▽^* 薫はこれほどまでに自分へ信頼を寄せるみのりに戸惑いを見せましたが、それとともに心のどこかでは嬉しくかつ和まされているのだと思います。今回の薫の取った行動はほとんど全てがみのりに向けられていたのだと思います。みのりに対して取ったこの行動が咲達の世界との繋がりへ続いていっていると思います。
このように薫の心の変化が実際に行動に現れたことに満はハッとしていました。もしかしたら、満は薫の心の中で起こっている変化が自分のものと同じことに気づいたのかもしれませんね。満自身も咲達の世界に少しずつ心を寄せ始めているのですが、薫はみのりとの一対一の関わりを通して咲達の世界との繋がりを強めつつあるに対して、満は様々な人と表面的に関わっていたのだけど、自分でも気づかぬうちに咲達の世界の人々と心を通わせることに心を動かされています。満はそんな自分の気持ちに気づきつつあるのだけど、その気持ちを振り払おうとしているように思えます。
満も薫も自分達の世界以外の存在に興味を示し、そしてそれを受けいれようとしています。まだまだ互いを尊重しあう関係ではないだろうし、本当には心を通わせていないかもしれないけど、満と薫はそれぞれ異なった道で他人、自分達以外の存在を受け入れつつあると思います。

 
次回予告で流れた満と薫の表情はまるで心の篭っていない人形のように見えました。彼女達は自分達の心を殺して戦いに臨もうとしているようにも思えました。プリキュアと満薫が戦うことが悲劇だと思ってもいたのですが、満と薫が戦う場に出て行かざるをえないことが辛いですね。彼女達は生きているし、一緒に生きていて楽しい人だっていてくれるのにそんな人たちと戦う道を選ぶことが悲劇ではないのかと思います。