アルゼンチン、ベルギーがベスト8進出

ベスト8の残り二試合が終了し、ベスト8が出揃った。
アルゼンチン対スイス。スイスの組織力がアルゼンチンの守備陣を困難に陥れると思われたが、実際はアルゼンチンがスイスを攻め続ける展開となった。スイスは少ないチャンスながら危険なシュートでアルゼンチンゴールに迫っていた。スイスが先制すればアルゼンチンは困難に至ったに違いない。一方、アルゼンチンは先制していたら大量得点の口火を切っただろう。延長戦までもつれ込んだものの、最後はメッシ→ディマリアのラインで決勝点が決まった。
この試合を決めたのはメッシといわれているようだが、ディマリアは試合を通してアルゼンチンの攻撃を常に活性化させていた。メッシにマーク集まるのでディマリアの自由度が高まっているようだ。さらに、ディマリアの得点力もここ一番で期待できることが証明された。アルゼンチン攻撃陣は圧倒的な存在感を誇るもののメッシの得点ばかりで若干期待はずれ感もある。アグエロが怪我でコンディションを落としており、メッシとディマリアに続いてイグアインの今大会初ゴールがベスト8突破から決勝進出、さらには最も高い場所へたどり着くために必要だ。

ベルギー対アメリカ。
ベスト8の最終試合。ベルギーの圧倒的な戦力に対してアメリカは真っ向から受け止めて逆襲を狙った。ベルギーの攻撃は畳み掛けるというよりはフィジカルのサイズも活かしてアメリカを追い詰めた。ベルギーの選手のほうがアメリカの選手よりもずっと大きく感じられ、アメリカがいつ飲み込まれてゴールを許してしまうか時間の問題のように思えた。ちなみに、ベルギー代表チームの平均身長は185cm程度、一方のアメリカは182cm程度で、結構意外だ。
アメリカはGKのハワードが大当たり。ベルギーの決定的シュートを止め続けた、少なくとも90分間は。延長前半開始直後に交代で入ったばかりのルカクのダイナミックな突撃からデブルイネにゴールを許し、続いて今度はルカク自らのパワフルシュートでゴールを奪われてしまった。それでも失点後もGKハワードの集中は途切れず、アメリカの反撃を支えた。今大会ここまでで試合を諦めて集中を切らしてしまうチーム、選手がほとんどいないことは世界中でワールドカップを楽しんでいる人々を大いに魅了しているに違いない。ベルギー対アメリカ戦はベルギーが圧倒的に攻め込む展開だったが、視聴していて全く飽きることのないスリリングな試合だった。
最終的に、ベルギーが最小得点差で勝利。28年ぶりにベスト8へ進出した。充実した戦力を活かし、派手な展開はないものの着実に勝利を重ねつつある。

ベスト8は実力伯仲の中で各国チームが激突する。ネームバリュー的にはコロンビア、ベルギーとコスタリカはお客様な感じだが、ここまででこの3チームが見せてきた力は本物だ。これらのチームとそれぞれ対戦するブラジル、アルゼンチンとオランダは油断してはいけない。