S☆Sを想う

ふたりはプリキュア スプラッシュ☆スター(S☆S)」が最終回を迎えます。この1年間、日向咲美翔舞の主人公の姿に勇気付けられることが多かったです。中学2年生の設定のわりには子供過ぎたのかもしれないけど、彼女達の純粋さは素敵だったと思います。純粋なままで生きていくことはできないわけで、すんなりとは物事が運ばない世の中の難しさとかにも直面して悩むような描写もあって良かったのかもしれませんね。
S☆Sは前作のプリキュアよりも子供向けに作られていると聞いたことがありますが、子供向けに作ることはとても難しいことだと思います。子供のことをよく考えていないといけないし、子供は大人のように意思表示を明確にしないから、子供にとってのアニメの位置付けが難しかったのではないでしょうか。私には、S☆Sのミュージカルショーを観に行った時に子供達が一生懸命に純粋にプリキュアを応援している姿がとても印象に残っています。S☆Sも十分に子供達の心に届いていたアニメだと思います。
 

一般的には子供向けに難しい心理描写をやっても受け入れられないと思われるとでしょうけど、子供だって大人は感じていないようなことを敏感に感じ取るのではないでしょうか。咲と舞はスーパーヒロインなわけであり、少しばかり歯が浮くような恥ずかしい台詞を堂々と言っても良いと思います。その方がヒロインとしてまずは受け入れられると思います。主人公があまりにリアリストであってはヒーローとかヒロインものは成り立たないところあるんじゃないかと。それでも、現代っ子に受け入れられるには底抜けに正義でもダメなのかも? 正義を貫く心は最も大事にしつつも戦う相手のことへも関心を寄せるくらいの心の広さというか視野の広さを持つことが、見る側を物語の中へ引き込むことに繋がるのではないでしょうか。


満と薫は自分達の存在や生まれた世界との関わりなどで悩むことがあり、心の陰陽が描かれていてリアルに思いました。咲と舞が常に光り続ける恒星であるならば、満と薫はその周りを回る惑星で、その光によって照らされて輝く面とその反対として光の当たらない暗い部分がより明確になっていました。満と薫は咲と舞に照らされることによって自分達の居場所を見つけた、これはとても良かったと思いますね。もう少しS☆Sの放送に残りがあれば、満と薫が咲と舞の内面に作用するチャンスもあったのかなとも思います。終盤に近づくにつれて本主人公の咲舞の地位に満薫がどんどん迫っていく印象は持っていました。


私にとって「プリキュアシリーズ」は久しぶりにリアル視聴で夢中になったアニメなので思いいれは非常に強いです。たかがアニメではあるもののそれ以上のものを作品の中に見ていているのだと思います。次回作はプリキュア初のチームプレーが題材の一つとなりますね。S☆Sの中では「友達・仲間」というのがテーマの中で大きくなっていたと思いますが、それはプリキュアとその仲間達という位置付けでした。今度はプリキュア自体が5人という2人のときよりも大人数なわけで、ヒロインの中でも仲間意識が非常に重要になると思いますね。過去のセーラームーンという複数のヒロインが登場するアニメがありましたけど、私はあまりこれを見てないのでどんな感じのアニメだったか覚えてないんですよね。最近のヒーロー戦隊ものは観ないからさらにヒロイン・ヒーローのチームプレーがどのように描かれるのか非常に楽しみです。