戦う理由があるのか?

delcalcio2006-06-22

id:delcalcio:20060621の続きになりますっていうか、今回が本番ですね(汗)


そろそろ本格化するであろうプリキュアと満薫の戦いについて考えます。

満と薫はプリキュアと戦わない。もう戦ってるじゃんと言われそうですが、直接戦闘を交えないと言い換えましょうか。満と薫がプリキュアと交戦する理由が薄いように思います。
満と薫はどうも無理矢理にプリキュアとの戦いに自分達を追い込んでいると思います。それになにも拳を交えることだけが戦いではないと思います。


満と薫には、彼女達自身がプリキュアと戦う理由がないと思います(または戦う理由が弱い)。プリキュアに興味を持っているが、プリキュアを知ることによってプリキュアを倒そうと積極的に思っていません。彼女達がプリキュアを倒そうと思う、倒さなければならないと思うのは、アクダイカーン=ダークフォールの野望を満たすためです。
カレハーンやモエルンバ、それからドロドロンも同じようにアクダイカーンの野望を満たすために戦いました。彼らの場合は主の野望と自分達の野心*1が一致しているところがあると思います。しかし、満と薫は、他の刺客達とは少し違うと思います。彼女達はアクダイカーンのための戦いが自分達にとっても大切なものであるのかと考えていることです。本来、このような考えをアクダイカーンの単なる僕である彼女達が持つ必要はないと思うのですけどね。でも、満と薫は、咲と舞と関わる中でこのことに気づき始めました。彼女達の中で戦うという意義が薄れ始めているように思います。


それでもやはり、満と薫はプリキュアとの戦いを選択しようとしています。彼女達がダークフォールの住人であるからでしょうか、それともアクダイカーンの存在は個人の考えを押さえつけるほどの強さを持つからでしょうか。おそらくは、後者であると思いますが、それでも満と薫には戦いを拒否する選択もあると思います。
戦いを拒否するのは必ずしも非戦というわけではなく、対話による解決の道もあると思います*2


対話による解決は話し合うもの同士が相手の意見を聞こうとする姿勢でいなければいけません。満と薫は登場した当初は唯我独尊であったけれども今では咲や舞の意見を聞く姿勢を見せ始めており、実際にその意見が満と薫に影響を与えています*3。相手の考えに興味を持つとき、相手の意見を聞こうするとき、もうすでに戦う必要などありません。もちろん意見を“戦わせる”ことはありますが、殴りあったりする必要はありません*4


満と薫はもっと咲と舞に触れてみるべきだと思います。満と薫はプリキュアの戦いぶりを観察することでプリキュアの力に対して以前よりもずっと強く興味をもつようになりました。そして、プリキュアの力の源に近づきつつあります。でも、気づこうとしているのにそれを拒否しようとしているようにも思います。最後には、満と薫は素直になることができるでしょうか?
満と薫自身には、もうすでにプリキュアと戦う理由などないと思います。アクダイカーンの存在はあるが、それでも満と薫ならば、その存在を振り切るだけの意志の強さがあるとも思います。他のダークフォールの住人達と違って巨大な何かにすがっている感じがしないからです。何かにただ依存するだけでなく、周囲の存在と関わりあうことに気づき始めた満と薫にはもう戦い、奪うような行為は必要ないと思います。


 満と薫はプリキュアと戦わない。そう考えるし、そうであってほしい。戦いあってしまえば、それはやはり悲劇でしょう。また、それが現実なのだと思われるかもしれない。でも、それならば、なぜ、戦わなくても良い道を模索しようとしないのかと問いたい。戦ってから解決では遅すぎると思います。
 プリキュアは戦闘少女ものだから戦うのは必然だと考えられないこともないけれど、プリキュアの戦いは守るための戦いであり、プリキュアが攻めるために戦ったことはありません。プリキュアの戦いは大切なものを守りたいという気持ち、大切なもの達との絆のための戦いです。プリキュアにとって戦いは本来不本意なものだと思います。ただ、プリキュアはその戦いを乗り越えると共に自分達自身を精神的に成長させていっていると思います。また互いの絆も強め、さらには大切なもの達との絆もまた強めていると思います。戦えば戦うほど強くなるプリキュア
でも、一方で戦う相手との間に気持ちを通わせることはない。それは、攻めてくる相手がプリキュアを理解しようとしないからだと思います。この点において、満と薫はプリキュアの力に興味をもち、プリキュアに変身する咲と舞に対しても心を寄せ始めている。もし、満と薫がプリキュアと戦うことになったとしたら、その結末は悲劇なのではなくて互いを近づけ合うこと、理解し合うになると思います。でもね…、前述したように戦わなくても理解し合えるはずなんだよ。例え喧嘩口調の言い合いでも良いんだ。だって、どうでも良い関係の人とは本音で語り合うことなんて絶対にできないでしょう?


満と薫はプリキュアと戦わない・・・と思いたい。


S☆Sのオープニングとかエンディングの歌詞を見ていると互いを思い合うことの大切さを感じ、そして未来を作っていこうという前向きな気持ちになりますね。
戦うだの戦わないだの考えることもなんだか変だなぁとも思います(爆)

*1:ダークフォールでの地位を確固たるものにすること、権力欲を満たすこと。ん〜、モエルンバの場合は、満と薫に似てマイペースだから、あまり権力欲はないかもしれない。

*2:まぁ、話し合いでの解決は状況が複雑になるので実際にはありえないでしょうか。殴り合ってから分かり合うのが手っ取り早いのだろうか。果たしてそれで良いのだろうか。もっと他のやりかたはいくらだってある。それの一つが対話であると思う。

*3:自分達にとって大切なものを考えたり、他人との関わる素晴らしさに気づき始めている

*4:言葉の暴力の応酬はありそうですが、相手を尊重しようとするときには言葉による口撃はないと思います。